犯罪を犯した人がすべて悪い人間ということではない

日本最大の歓楽街、イミテーションの美しさに惹かれて様々な人間が集まります。ある若者は大きな夢や希望を掴む為。またあるものは大金を稼ぎ名声を手に入れるため夜の世界へ足を踏み入れます。

ですが、その中で成功を収めることのできる人間は、たったひと握り。

ほとんどは夢と現実のギャップにもがき苦しみ、自らの命を絶ってしまう者、また夢破れて生きる希望を失い、た だ淡々と毎日を過ごす者、そして汚い大人たちの欲望の餌食となり堕ちていく…

ー外から見ているキラキラとしたネオンの中に足を踏み入れることで目を背けたくなるようなこの町で、犯罪を犯し苦しみながらも必死で更生した女性をご紹介します。

歌舞伎町のシャブ嬢王と呼ばれた少女アスカ

皆さんは夜回り先生ならぬ夜回り組長と呼ばれた石橋伸司という人物を聞いたことがあるでしょうか?

元暴力団員の組長ながら、組をやめた後は夜の歌舞伎庁に繰り出し、非行に走りそうな少年少女に声をかけ更生を手助けしていました。
そして彼はアスカという家出少女と出会います。

今回は彼女が攻勢に至るまでのお話をしたいと思います。
生後すぐに実母からの育児放棄を受け祖父母の元で暮らしますが12歳で突然、実母と再婚相手の男に強引に引き取られ、そこで義父に性的虐待を長い期間受けたことにより家出します。

その、後歌舞伎町を徘徊しているところをやくざの組長に拾われ、SEXと覚せい剤に溺れていきます。そして彼女はそれらなしでは生きていけないほどにまで堕ちていきます。

やりたい放題悪さを繰り返し、本能のまま生きる当時の彼女の姿はまるで獣のようでした。
彼女の青春は「薬とセックスと刑務所」ただそれだけだったといっても過言ではないでしょう。

当時の彼女の生活や行動は、自らを傷つけ死に急ぐ、破壊的な行動であり、その背景には義父からの性的虐待があったからでしょう。彼女もまた汚い大人たちの被害者だったのです。子連れでDV夫から逃れた女性が明かす被害の実態

やがて父親のわからない子供を2回獄中出産し、更生を決意します。

ですが、薬物中毒だった人間が簡単に更生できるほど甘くなく何度もフラシュバックや問題行動を起こし、最後にはお世話になった石原氏をも裏切り姿を消してしまいます。

それでも三度目の子どもの妊娠をきっかけに夜の世界や薬物からはきっぱりと足を洗い、歌舞伎町から遠く離れた街で大きなおなかを抱えたままアルバイトをしたりなど自らの行動でその意思を示しました。

「なぜ生きているのかわからない」「自分に生きている価値がない」そんなことばかり呟き自暴自棄な生活を送っていた彼女ですが、守るものができた時、彼女は本当の意味で生まれ変わりました。

現在彼女は三人目の子供を引き取り生活保護を受けながら、地方都市でひっそりと自立 を目指し生活しています。二人の子供たちを施設から引き取り一緒に暮らすことが彼女の今の夢であり、再び覚せい剤に手を染めてしまったら二度と子供たちには会えなくなる。それ が彼女にとっては何よりの薬なのでしょう。

「堕ちるのは簡単」

これは実際に小説や漫画にもなった実話です。
アスカの場合は「こども」という存在があったから更生することができましたが、覚せい剤に溺れた少女はほとんどが自ら命を絶つか、薬欲しさにどっぷりと夜の世界へ浸かってしまい二度と這い上がることができません。

彼女は義父の虐待がなければ、こんな人生を送らず幸せに生きていたかもしれません。ですが歌舞伎町という街を選択してしまったのも彼女で覚せい剤に手を染めたのも彼女自身です。


「堕 ちていく」のは簡単ですがそこから這い上がることは想像以上に難しく苦しいもの。 歌舞伎町にはそんな女性を食い物にする大人がたくさんいます。犯罪に手を染めてしまったことは許されないことかもしれません。

しかし、自らその罪の重さを受け止め、前に進もうとしている人がいるのであれば、過去の出来事に固執することなく、その人の本質や行動をしっかりと見てあげて欲しいと思います。

まとめ

初めから芯のある強い人間など存在しません。
それが絶望的な状況下であればなおさら楽な方向へ流れてしまうのが人間ではないのでしょうか?

もし、あなたのまわりにそんな過去を抱えた人間がいても、決して先入観だけで差別してほしくありません。失敗を自分の糧にできる人間や痛みや苦しみを経験した人間は、その分人にやさしくなれるものです。
ですからもしそういった人に出逢ったとしたら応援してあげて欲しい。
心からそう願います。

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