苦しい思いをした人こそ人を助けることのできる人

苦しみや悲しさから学び取れる人間は誰よりも優しい人間

「優しいひと」この概念は人それぞれ違うので、しっかりとした定義は存在しません。

ですが「やさしさ」と一概に言ってもただ優しいだけでは意味がありません。

耳が痛くなる ような親の忠告や辛辣な友人の意見など一見優しさとは程遠いようなものであっても、あな たのことを考えて、あなたの立場に立って言いづらいことも諭してくれる。

そういったものも「やさしさ」ではないかと私は考えます。

ただの優しくするのであればだれにでもできます。
ですがその優しさは、芯の無い【無責任なその場しのぎ】になってはいないでしょうか?

人々の心を魅了し続ける天才ピアニストのフジコ・ヘミングさんの言葉に印象的なものがあります。

どんなに教養があって立派な人でも、 心に傷がない人には魅力がない。

他人の痛みというものがわからないから。

– フジ子・へミング

この言葉は私にとって衝撃的で、すっと入ってくるような言葉でした。



「人の痛み」が分かる人間や、自分が苦しい経験をした人間には「芯が通った強さ」があります。
自分自身がつらく苦しい経験をして、ときには「しにたい」とまで考えたような人は芯の通ったぶれない強さを持っています。

自らがつらく苦しい経験をしたことで自分自身と向き合い、そこから這い上がってこれた人間は人一倍相手のことを思いやることができます。

発する言葉にも重みと責任が伴うのもそのためです。

叱咤激励は気分のいいものではないかもしれません。
しかしそういった言葉を発している人間の方もつらいのです。

その場しのぎで甘い優しい言葉やひたすら肯定してあげるような言葉をかけ続けていた方が責任は伴いませんし、気持ち的にも楽でしょう。

ですが、相手のことを考えているからこそ、どうにかして助けたいという思いや優しさが根底にあるから、本気で救いたいと考えているからこそ出る言葉なのです。

それは、自分がつらい 経験をした実体験に基づいたものであったり、ときには激しい叱咤激励かもしれません。

ですが、それは境地に陥った経験があるからこそできるアドバイスだと私は思います。

この記事を書いている私の実体験から思ったこと

私は高校時代柔道部に所属しており、先輩からの理不尽ないじめや身体的な極限を何度も経験し脱水症状になるなど地獄のような毎日を送っていました。

ある日練習が嫌で仕方なかっ た私は部活動をさぼり、自転車で遠くへ逃げたことがあります。

その時監督であり、同じ柔道経験者だった父親に

「つらいだろう。でも最後までやってみろ。絶対わかるから。
ただ自分がされて嫌だったことは絶対に人にはするな。逃げるな」

といって道場に連れ戻されました。それから三年間歯を食いしばって厳しい練習に耐え抜きました。

自分が上級生になった時に負の伝統として残っていた後輩に対する理不尽ないじめ も自分がされて嫌だったので一切なくしました。

そして、結果として全国大会入賞を収めることができました。
そのとき父は観客席で泣きながらうなずいていました。

もしあの時逃げていたら、私は一生逃げ癖が付いていたでしょう。
負の伝統もいまだに続いていたと思います。
普通の親ならそこで辞めさせてくれていたのに。そう恨んだこともありました。

ですが、結果としてこの経験は私自身を成長させてくれただけでなく、社会に出てからも役に立ちました。

そして自分に子供ができた今、子供を叱ったり苦しむ姿はいかにつらいのかも身をもって体感しました。

ですが、そうしないと子供自身が成長できないので優しさだけ与え躾けること はできないことも学びました。

この価値観を理解できない人も多々いるでしょう。
時代錯誤かもしれません。
しかしこの経験は私にとって救われることになった経験であると誇れる経験でした。
父のやさしさに気づくには長い年月がかかりましたが、人の苦しみや考えていることに対して、ひと一倍敏感になるようになりました。

当時は恨みばかりでしたが、苦しい経験やつらい経験が大切な宝物に思える瞬間はきっと訪れます。

ですからどうか逃げずに踏ん張ってほしい。 そして厳しい叱咤激励も本当は優しさなのだということ。また、嫌われ者の役割をみずから引き受けることで人を助けようとする、本当に優しい人間を見抜くことができるようになっ てほしいと心から思います。

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