やめられないことが原因で、周囲に悪影響を与えやすい
依存症について簡潔に説明すると「やめたくてもやめられない症状」を指しますが、特徴的なことは、それによって自分自身や周囲に悪影響を及ぼしてしまう点です。
依存症のきっかけとして「強いストレスの解消」があげられます。一度依存してしまうと症状の改善は難しいものの、専門的な治療を受けることで回復を目指すことは可能となっています。

依存症とは?
依存症とは、ある特定の物質、あるいは特定の行為について、やめたくてもやめられない症状のことを指します。
依存症の症状は、物質に対する依存である「物質依存」、ある特定のプロセスに対して依存してしまう「プロセス依存」のほか、他者に対して過度に依存する「関係依存」があげられます。
物質依存の例をあげると、アルコールやタバコのほか、違法薬物・危険ドラッグなどがあります。
プロセス依存としてはギャンブルやパチンコに対する依存のほか、最近ではスマホやゲームの依存も問題になっています。
また、関係依存としては、共依存、DV、ストーカー行為があげられます。
依存症において特徴的なことは、その症状がやめられないことにより、自分自身がつらい思いをするだけでなく、周囲の人たちに対しても多大な迷惑をかけてしまうことです。
一例としてアルコール依存症を例にあげてみると、体内のアルコールが減ってきたときにイライラしたり、あるいは不安な気持ちに駆られたりするだけでなく、手のふるえが生じたり汗を多くかいたりするなど、身体面でも影響がみられます。
さらに、過度のアルコールが原因で会社に遅刻したり、あるいは欠勤したりして周囲に迷惑をかけることがあるほか、飲酒運転で事故を起こしてしまうなど、重大なトラブルの原因につながることもあるのです。

なぜ、依存症になってしまうのか?
それでは、なぜ依存症になってしまうのでしょうか。
その理由としては、精神的につらい状況に追い込まれていたことが考えられます。
日頃抱えているストレスを解消するために、アルコールやタバコを利用して気持ちを楽にしようとしたり、またはパチンコなどのギャンブルでスリルを味わったりしようとする場合があります。
これらの行為が日常生活に影響のない範囲内で行われている分には問題がありませんが、あまりにもつらい状況に追い込まれている場合は、それらの行為にのめり込んでしまうこともあるのです。
なぜなら、アルコールや薬物を摂取すること、あるいはギャンブルのようにスリルを味わえる行為によって、快楽物質である「ドーパミン」が分泌されるためです。
ドーパミンが分泌されると、中枢神経が興奮することによって快楽を感じやすくなりますが、ストレスが強いときほどこの感覚を繰り返し得たいと感じ、アルコールや薬物の摂取量が増えたり、あるいは、スリルを味わおうとする行動が増えたりします。
それらが繰り返されることによって、結果的に依存症へとつながっていくことになります。

発達障害も依存症の原因になる場合も
また、依存症の原因の一つに「発達障害」があげられます。
発達障害の症状の一つである注意欠如・多動性障害(ADHD)の特徴は、興味がないことに対しては不注意な面が見受けられる一方、興味を持ったことに対してはのめり込む性質がみられることです。
この性質によって、アルコールや薬物を摂取することで得られる快楽にハマってしまったり、あるいはギャンブルにのめり込んでしまったりして、生活が困難な状況になってもやめにくいような状況に陥ってしまうことがあります。
依存症にかかってしまうと、依存しているものに対して適度、適量を守ることが難しいこともあり、その症状を治すことは難しいようにも感じられます。
しかし、医療機関で診察を受けたり、あるいは依存の回復を目指す自助グループに参加したりすることによって依存症を改善することは可能です。
依存症は一人で抱え込まず、早めに専門家に相談して、早期の回復を図るようにしましょう。
(画像は写真ACより)
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