自殺の判断はどうされるのか?自殺の現実

日本は自殺大国と言われている。

日本の自殺者数は、10年連続で3万人を超えると警察庁より報告され、これは、交通事故による死亡者も上回っていたとのことだ。

平成31年~令和元年で初めて3万人を下回った。

“警察庁の自殺統計原票を集計した結果(以 下「自殺統計」という。)によれば(第1-1 図)、我が国の自殺者数は、平成10年以降、 14年連続して3万人を超える状態が続いていたが、24年に15年ぶりに3万人を下回った。 27年は2万4,025人と4年連続で3万人を下 回った。” ―警察庁ホームページより

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html参照

ただし、推測するに、警察庁の調べによるため「自殺」と判断された数のみの数字になる。

自殺の判断はどうされるのか?

自殺とは一口に言っても、様々な方法があるだろう。

しかし、それが事故なのか、過失なのか、自殺なのか、どのように判断されるのだろうか。

自殺の1つの判断基準のとして、「遺書」というものがある。

しかし、遺書1つにしても警察は「本当に本人が書いたものなのか」や、死に至るまでの本人の様子など、自殺に見せかけた他殺なのではないかと、細かい調査が必要であることは容易に想像がつく。

リアルな話として、死因調査の必要性の1つには、保険免責に該当するのかどうか、という判断が必要になる。

自殺と判断された場合、保険会社は保険金を支払う必要がないからだ。

死亡分類

人の死は、大きく分けて内因死と外因死がある。

内因死とは、大まかに先天性のものや、感染症、病気、老衰によって死に至ったものをさし、

外因死とは、何らかの外部の力が作用したことによって至った死のことをいう。

つまり自殺や他殺、薬物、自動車事故、労災事故などです。

そしてこの外因死の中に“自殺”が含まれるのだが、その判断が非常に難しいのが現状である。

“外因死の場合、自殺・他殺・事故死の判定は必ずしも容易ではありません。大部分の国では、急死や外因死などの異状死体の場合には、法律の定める専門機関の責任において死体解剖を行い、死因および「死因の種類」などの究明がされていますが、日本では主として他殺あるいは他殺と疑われる場合に限って解剖を行っており、自殺や事故死体が解剖されることは稀です。

監察医制度施行地域(東京都23区、横浜市、大阪市、神戸市など)では、犯罪に関係なくても、検案により死因が明らかでないときは「行政解剖」を行って死因を決定しています。しかし、上記以外の地域では行政解剖制度がないので医師は検案のみで死因を確定しているのが現状です。“

 https://jiko-higaisya.info/research/suicide/ より引用

つまり、調べてもわからない死因について、もっと詳しく調べるためには「行政解剖制度」が必要で、その制度がなされる地域が限られているため、無理に死因を決めざるを得ないのが現状ということだ。

潜在的自殺者~死者は語れない~

つまり、死亡の分類としてはこれだけはっきりしているのにも関わらず、

死因について「自殺」と判断される線引きは非常に曖昧だ、というのが現状なのだ。

冒頭にも述べたが、警察庁が発表した自殺者の数というのは、警察が死因を「自殺」と処理したものの数ということになる。

となると、本当は自殺であるのに、「事故死」だと処理をされることは、いかに多いのかが想像できるだろう。

逆の場合もあり得るとは思うが、前者より数は圧倒的に少ないと思われる。

理由は、色々なサイトを調査した結果、

自殺を考える人の願望として、多くの人が、

「家族や知人に迷惑をかけたくない」

「自分が事故死と判断されれば、保険金が家族に降りる」

と考えているようだ。

一例として、

「確実に死ねる方法」

「迷惑のかからない死に方」

「家族に自殺とバレずに死ぬ方法」

等の検索が多いことがあげられる。

年間の自殺者としての数字は3万人かもしれないが、おそらくもっと多くの人々が「自殺」と判断されずに亡くなっているだろう。

残念なことに、上記の現状がある以上、自殺者が死に至るまでの真相は、この世からはいなくなってしまった本人しかわからないのだ。

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